機能・性能
Vの制震力
地震エネルギーを吸収する変形率300%、耐久性60年の高減衰ゴムを組み込んだ高性能ダンパー。上下に設置された減衰効果抜群の鋼製アーム。繰り返す余震にも強い復元力を発揮し、BXカネシンの技術力と開発力が安全と安心を守る強靭な制震システムを完成させました。
V-RECS 2x4〈SG〉制震メカニズム
ダンパーが一番効率よく働く位置を探していくと、上下のV型アームの頂点にダンパーを置いた形状が最適で、建物の変形を効率よく回転運動に変換し、高い変形抑制効果を発揮します。
1. 地震エネルギーがV-RECS〈SG〉アームへ
地震のエネルギーが建物に加わるとたて枠に装着したV-RECS〈SG〉アームAに圧縮、Bに引張の力がかかります。
2. V-RECS〈SG〉アームの力がダンパーへ
V-RECS〈SG〉アームA、Bにかかった力が、V-RECS〈SG〉ダンパーCを押し込むと同時にV-RECS〈SG〉アームBを押し上げ回転運動に変換します。
3. 高減衰ゴムが変形
V-RECS〈SG〉ダンパーCとDは高減衰ゴムで接合されており、Cの回転により高減衰ゴムがせん断変形します。
4. 地震エネルギーを吸収
震動エネルギーを高減衰ゴムがせん断変形して熱エネルギーに変換し、建物の揺れを吸収します。
一般ゴムと高減衰ゴムの比較
一般ゴムの球と高減衰ゴムの球を同時に同じ高さから落とすと、一般ゴムは弾むのに対し、高減衰ゴムはほとんど弾みません。これは、高減衰ゴムが落下の運動エネルギーを熱エネルギーに変換し、衝撃を吸収するためです。
一般ゴムと高減衰ゴムの比較
実験データが実証する制震力
地震の揺れを最大 約60%※軽減
グラフは青い線がV-RECS 2×4〈SG〉なしの時の揺れを示し、赤い線がV-RECS 2×4〈SG〉を4枚設置した時の揺れを示しています。V-RECS 2×4〈SG〉を設置することで最大約60%の変形抑制効果が確認できました。
建築センター波(BCJ-L2)50カインで解析した場合の応答解析結果
※変形抑制効果は、建物形状、配置プラン、地震波によって異なります。
実大実験により変形抑制効果を実証
V-RECS 2×4〈SG〉を設置した場合と設置しない場合を実大実験で比較することで、建物の変形抑制効果が実証されました。また、この実験結果は応答解析の変形抑制効果と同等となり、応答解析結果の信頼性が確認できました。
実験機関 | 実験内容 |
---|---|
独立行政法人 防災科学技術研究所 |
枠組壁工法2階建て 〈耐力壁〉合板耐力壁 〈入力波〉建築センター波(BCJ L2)、神戸海洋波(kobe NS) |
内周部の配置が安心感とデザイン性を両立させます。
V-RECS 2×4〈SG〉は高減衰ゴムの性能を最大限発揮させるため、あえて内周部への配置にこだわりました。外周部は、夏場は壁内温度が上昇しやすく、冬場は結露が発生しやすいなど最適な配置環境とはいえません。また、内周部への設置により断熱材の施工に影響がなく住宅の断熱性能を十分に発揮することができます。
告示1358号、1380号に定める構造方法に対応可
省令準耐火仕様対応可
V-RECS 2×4〈SG〉を設置した壁も壁量として算入できます。
V-RECS 2×4〈SG〉は耐力壁内部に設置でき、壁量として算入できます。設計変更の手間が少なく、設計の自由度を確保したまま制震装置を導入して、お施主様に一歩進んだ2×4住宅を提案できます。
仕様規定の一例
材料 | 倍率 | 断面 | 接合具 | 接合具の間隔 |
---|---|---|---|---|
せっこうボード | 1.0 | 厚さ12mm以上 | GNF40 SFN45 WSN、DTSN |
外周部@100 中間部@200 |
強化せっこうボード | 1.3 |
※耐力壁として設計する場合は、必ず国土交通省告示第1541号の仕様に従ってください。
V-RECS 2×4〈SG〉設置のポイント
① V-RECS 2×4〈SG〉は、剛心位置を考慮してバランスよく設置することで高い変形抑制効果が期待できます。 |