CSセンターが疑問を解決

No.17 2018.07.02

ベースセッターマニュアルに沿って構造計算をしているのですが、15ページに記載のあるBS耐力壁の分担水平力は許容応力度計算ソフトのどこを見れば確認できるのでしょうか。

許容応力度計算ソフトによっては、確認できないことがあります。この場合、BS耐力壁の分担水平力は各通りの負担せん断力から算出していただく必要があります。
それでは、各通りの負担せん断力からBS耐力壁のみの負担せん断力を算出する方法を説明します。

「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2017年版)」※1の「2.4水平力に対する許容応力度計算」(P.59)より耐力壁の剛性と負担せん断力(地震力および風圧力)※2は比例関係(高さが同じ条件の場合)にあると判断できるため、BS耐力壁の負担せん断力※2は、各通りの耐力壁の剛性の割合から算出します。
※1 発行元:公益財団法人 日本住宅・木材技術センター
※2 BS耐力壁の評価上は、分担水平力


〈 算出方法(例) 〉
(例)「へ通り」に配置されるBS耐力壁の負担せん断耐力(分担水平力)をもとめる
※横架材天端間高さを2.730mとする
※計算ソフトより抽出する「へ通り」の負担せん断力を10kNとする 
※使用環境Ⅲとする


STEP①
面材耐力壁のせん断剛性を算出
K〔kN/m〕
=Pa〔kN〕×150/横架材天端間高さ〔m〕×剛性低減係数 Ck
=4.459〔kN〕×150/2.730〔m〕×1.0(土台上の1階壁として)
=245〔kN/m〕

STEP②
BS耐力壁の設計用せん断剛性を算出… ベースセッターマニュアルP.14より算出
KBSd
=477.3×2.7675/H〔kN〕
=477.3〔kN/m〕×2.7675〔m〕/2.730〔m〕
=483.856…〔kN/m〕

STEP③
「へ通り」の剛性の割合によりBS耐力壁の負担せん断力(分担水平力)を算出
「へ通り」の負担せん断力 10〔kN〕:BS耐力壁の負担せん断力 Q〔kN〕
= 「へ通り」のせん断剛性の和 〔245+483.856〕〔kN/m〕:BS耐力壁の設計用せん断剛性 483.856〔kN/m〕

Q=6.63…〔kN〕

上記より、 BS耐力壁の負担せん断力〔分担水平力)は、6.63kNとなります。 
 

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