施行令
第47条 構造耐力上主要な部分である継手又は仕口は、ボルト締、かすがい打、込み栓打その他の国土交通大臣が定める構造方法によりその部分の存在応力を伝えるように緊結しなければならない。この場合において、横架材の丈が大きいこと、柱と鉄骨の横架材とが剛に接合していること等により柱に構造耐力上支障のある局部応力が生ずるおそれがあるときは、当該柱を添木等によって補強しなければならない。
2 略
告示 平12建告第1460号
木造の継手及び仕口の構造方法を定める件
建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第47条第1項の規定に基づき、木造の継手及び仕口の構造方法を次のように定める。建築基準法施行令(以下「令」という。)第47条に規定する木造の継手及び仕口の構造方法は、次に定めるところによらなければならない。 ただし、令第82条第一号から第三号までに定める構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。
一.
筋かいの端部における仕口にあっては、次に掲げる筋かいの種類に応じ、それぞれ イから ホ までに定める接合方法又はこれらと同等以上の引張耐力を有する接合方法によらなければならない。
イ | 径9ミリメートル以上の鉄筋 柱又は横架材を貫通した鉄筋を三角座金を介してナット締めとしたもの又は当該鉄筋に止め付けた鋼板添え板に柱及び横架材に対して長さ9センチメートルの太め鉄丸くぎ(日本工業規格A5508(くぎ)-1992のうち太め鉄丸くぎに適合するもの又はこれと同等以上の品質を有するものをいう。以下同じ。)を8本打ち付けたもの |
---|---|
ロ | 厚さ1.5センチメートル以上で幅9センチメートル以上の木材 柱及び横架材を欠き込み、柱及び横架材に対してそれぞれ長さ6.5センチメートルの鉄丸くぎ(日本工業規格A5508(くぎ)-1992のうち鉄丸くぎに適合するもの又はこれと同等以上の品質を有するものをいう。以下同じ。)を5本平打ちしたもの |
ハ | 厚さ3センチメートル以上で幅9センチメートル以上の木材 厚さ1.6ミリメートルの鋼板添え板を、筋かいに対して径12ミリメートルのボルト(日本工業規格B1180(六角ボルト) -1994のうち強度区分4.6に適合するもの又はこれと同等以上の品質を有するものをいう。以下同じ。)締め及び長さ6.5センチメートルの太め鉄丸くぎを3本平打ち、柱に対して長さ6.5センチメートルの太め鉄丸くぎを3本平打ち、横架材に対して長さ6.5センチメートルの太め鉄丸くぎを4本平打ちとしたもの |
二 | 厚さ4.5センチメートル以上で幅9センチメートル以上の木材 厚さ2.3ミリメートル以上の鋼板添え板を、筋かいに対して径12ミリメートルのボルト締め及び長さ50ミリメートル、径4.5ミリメートルのスクリューくぎ7本の平打ち、柱及び横架材に対してそれぞれ長さ50ミリメートル、径4.5ミリメートルのスクリューくぎ5本の平打ちとしたもの |
ホ | 厚さ9センチメートル以上で幅9センチメートル以上の木材 柱又は横架材に径12ミリメートルのボルトを用いた一面せん断接合としたもの |
二.
壁を設け又は筋かいを入れた軸組の柱の柱脚及び柱頭の仕口にあっては、軸組の種類と柱の配置に応じて、平家部分又は最上階の柱にあっては次の表一に、その他の柱にあっては次の表二に、それぞれ掲げる表三 い から ぬ までに定めるところによらなければならない。ただし、当該仕口の周囲の軸組の種類及び配置を考慮して、柱頭又は柱脚に必要とされる引張力が、当該部分の引張耐力を超えないことが確かめられた場合においては、この限りでない。
表一
軸組の種類 | 出隅の柱 | その他の軸組端部の柱 |
|
---|---|---|---|
木ずりその他これに類するものを柱及び間柱の片面又は両面に打ち付けた壁を設けた軸組 | 表三い | 表三い | |
厚さ1.5センチメートル以上幅9センチメートル以上の木材の筋かい又は径9ミリメートル以上の鉄筋の筋かいを入れた軸組 | 表三ろ | 表三い | |
厚さ3センチメートル以上幅9センチメートル以上の木材の筋かいを入れた軸組 | 筋かいの下部が取り付く柱 | 表三ろ | 表三い |
その他の柱 | 表三に | 表三ろ | |
厚さ1.5センチメートル以上幅9センチメートル以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組又は径9ミリメートル以上の鉄筋の筋かいをたすき掛けに入れた軸組 | 表三に | 表三ろ | |
厚さ4.5センチメートル以上幅9センチメートル以上の木材の筋かいを入れた軸組 | 筋かいの下部が取り付く柱 | 表三は | 表三ろ |
その他の柱 | 表三ほ | ||
構造用合板等を昭和56年建設省告示第1100号別表第一(一)項又は(二)項に定める方法で打ち付けた壁を設けた軸組 | 表三ほ | 表三ろ | |
厚さ3センチメートル以上幅9センチメートル以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組 | 表三と | 表三は | |
厚さ4.5センチメートル以上幅9センチメートル以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組 | 表三と | 表三に |
表二
軸組の種類 | 上階及び当該階の柱が共に出隅の柱の場合 | 上階の柱が出隅の柱であり、当該階の柱が出隅の柱でない場合 | 上階及び当該階の柱が共に出隅の柱でない場合 |
---|---|---|---|
木ずりその他これに類するものを柱及び間柱の片面又は両面に打ち付けた壁を設けた軸組 | 表三い | 表三い | 表三い |
厚さ1.5センチメートル以上幅9センチメートル以上の木材の筋かい又は径9ミリメートル以上の鉄筋の筋かいを入れた軸組 | 表三ろ | 表三い | 表三い |
厚さ3センチメートル以上幅9センチメートル以上の木材の筋かいを入れた軸組 | 表三に | 表三ろ | 表三い |
厚さ1.5センチメートル以上幅9センチメートル以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組又は径9ミリメートル以上の鉄筋の筋かいをたすき掛けに入れた軸組 | 表三と | 表三は | 表三ろ |
厚さ4.5センチメートル以上幅9センチメートル以上の木材の筋かいを入れた軸組 | 表三と | 表三は | 表三ろ |
構造用合板等を昭和56年建設省告示第1100号別表第一(一)項又は(二)項に定める方法で打ち付けた壁を設けた軸組 | 表三ち | 表三へ | 表三は |
厚さ3センチメートル以上幅9センチメートル以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組 | 表三り | 表三と | 表三に |
厚さ4.5センチメートル以上幅9センチメートル以上の木材の筋かいをたすき掛けに入れた軸組 | 表三ぬ | 表三ち | 表三と |
表三
い | 短ほぞ差し、かすがい打ち又はこれらと同等以上の接合方法としたもの |
---|---|
ろ | 長ほぞ差し込み栓打ち若しくは厚さ2.3ミリメートルのL字型の鋼板添え板を、柱及び横架材に対してそれぞれ長さ6.5センチメートルの太め鉄丸くぎを5本平打ちとしたもの又はこれらと同等以上の接合方法としたもの |
は | 厚さ2.3ミリメートルのT字型の鋼板添え板を用い、柱及び横架材にそれぞれ長さ6.5センチメートルの太め鉄丸くぎを5本平打ちしたもの若しくは厚さ2.3ミリメートルのV字型の鋼板添え板を用い、柱及び横架材にそれぞれ長さ9センチメートルの太め鉄丸くぎを4本平打ちとしたもの又はこれらと同等以上の接合方法としたもの |
に | 厚さ3.2ミリメートルの鋼板添え板に径12ミリメートルのボルトを溶接した金物を用い、柱に対して径12ミリメートルのボルト締め、横架材に対して厚さ4.5ミリメートル、40ミリメートル角の角座金を介してナット締めをしたもの若しくは厚さ3.2ミリメートルの鋼板添え板を用い、上下階の連続する柱に対してそれぞれ径12ミリメートルのボルト締めとしたもの又はこれらと同等以上の接合方法としたもの |
ほ | 厚さ3.2ミリメートルの鋼板添え板に径12ミリメートルのボルトを溶接した金物を用い、柱に対して径12ミリメートルのボルト締め及び長さ50ミリメートル、径4.5ミリメートルのスクリュー釘打ち、横架材に対して厚さ4.5ミリメートル、40ミリメートル角の角座金を介してナット締めしたもの又は厚さ3.2ミリメートルの鋼板添え板を用い、上下階の連続する柱に対してそれぞれ径12ミリメートルのボルト締め及び長さ50ミリメートル、径4.5ミリメートルのスクリュー釘打ちとしたもの又はこれらと同等以上の接合方法としたもの |
へ | 厚さ3.2ミリメートルの鋼板添え板を用い、柱に対して径12ミリメートルのボルト2本、横架材、布基礎若しくは上下階の連続する柱に対して当該鋼板添え板に止め付けた径16ミリメートルのボルトを介して緊結したもの又はこれと同等以上の接合方法としたもの |
と | 厚さ3.2ミリメートルの鋼板添え板を用い、柱に対して径12ミリメートルのボルト3本、横架材(土台を除く。)、布基礎若しくは上下階の連続する柱に対して当該鋼板添え板に止め付けた径16ミリメートルのボルトを介して緊結したもの又はこれと同等以上の接合方法としたもの |
ち | 厚さ3.2ミリメートルの鋼板添え板を用い、柱に対して径12ミリメートルのボルト4本、横架材(土台を除く。)、布基礎若しくは上下階の連続する柱に対して当該鋼板添え板に止め付けた径16ミリメートルのボルトを介して緊結したもの又はこれと同等以上の接合方法としたもの |
り | 厚さ3.2ミリメートルの鋼板添え板を用い、柱に対して径12ミリメートルのボルト5本、横架材(土台を除く。)、布基礎若しくは上下階の連続する柱に対して当該鋼板添え板に止め付けた径16ミリメートルのボルトを介して緊結したもの又はこれと同等以上の接合方法としたもの |
ぬ | と に掲げる仕口を2組用いたもの |
三.
前二号に掲げるもののほか、その他の構造耐力上主要な部分の継手又は仕口にあっては、ボルト締、かすがい打、込み栓打その他の構造方法によりその部分の存在応力を伝えるように緊結したものでなくてはならない。