金物工法は、在来軸組工法の仕口や継手加工を金物に置き換えた工法です。接合部の耐力が明確であり、断面欠損も少ないことから安定した高強度な構造体にすることができます。また、在来軸組工法で必要とされる羽子板ボルトが不要になるなど、施工性にも優れています。大工の減少や高齢化により、より安全でスピーディな施工が求められており、金物工法により生産性の向上が可能になります。
在来軸組工法と金物工法の仕口・継ぎ手の違い
腰掛けかま継ぎ
ほぞ差し
大入れあり掛け
短ほぞ
金物工法のメリット(在来軸組工法との比較)
1. 仕口強度が明確
在来軸組工法の仕口は強度が明確になっていません。金物工法は、木材内部に納まる金物が安定した強度を発揮し、仕口強度の数値も明確で構造計算にものせやすい工法です。
在来軸組工法の接合部
金物工法の接合部
2. 断面欠損が少なく、強い構造体
金物工法は、在来軸組工法と比べ柱の断面欠損が少なく、木材本来の強度を活かし、接合部の強度が数値化されることで、安心の構造体を作り上げます。
柱の欠損
在来軸組工法
金物工法
柱の欠損率の比較
在来軸組工法
金物工法(プレセッターSU)
3. 高精度・高品質
金物工法は柱脚金物と接合するアンカーボルトの施工精度が求められます。基礎とアンカーボルトが柱脚金物としっかりと固定されることで、構造躯体も精度よく施工でき、施工品質が向上します。
4. スピーディで工期短縮
在来軸組工法はかど金物やホールダウン金物、羽子板金物などを躯体組み上げ後に現場で取付けますが、金物工法は梁受金物やホールダウンパイプなどをプレカット会社で取付け現場搬入するのが一般的で現場では躯体を組み上げドリフトピンを打つだけの簡単作業でスピーディ。工期も短縮できます。
5. 美しい仕上がり
梁受金物全体が梁の内部に納まり、スリットが目立ちにくく、あらわしの化粧梁にも適した美しい組み上げが可能です。(スリットが気になる場合は埋め木をすることですっきり納まります。(プレセッタータイプMを除く)