CSセンターが疑問を解決

No.44 2020.08.03

BX高耐力たる木ビスは既存のたる木止め金物とどのように使い分けますか。

既存商品のDP-2タルフィックやたる木クランプ・Ⅱ等のZマークひねり金物(ST-12)同等認定品(以下:ST-12同等品)に比べ高い耐力を有しており、主に軒等に対する吹き上げ荷重が大きい場合に使用します。
BX高耐力たる木ビス
短期基準接合引張耐力 3.4kN
※設計時は場合に応じた低減係数αを設定し短期許容耐力を算出してください。
※試験時使用樹種:スギKD



ST-12同等品
ベイマツ類 ヒノキ類 スギ類
短期許容耐力 1.7kN 1.5kN 1.3kN
※「軸組工法用接合金物規格(Zマーク表示金物)改定 令和2年6月」より抜粋


ビス金物のため施工が容易で、4種類の長さから接合する木材のサイズに合わせて選択します。



※たる木勾配や軒の出によっては、対応できない場合があります。詳しくはサイズ選定表をご確認ください。




●使用範囲の想定
BX高耐力たる木ビスはどのような場合に必要になるのか、負の風圧に対するたる木と軒桁接合部の引張力の検定による試算を行いました。屋根の勾配、軒の出寸法、たる木のピッチ、地表粗度区分(平12建告第1454号に定める区分)をパラメータとして算出しました。
各パラメータ たる木-軒桁接合部に作用する引張力(kN)
軒の出(m) 0.5 1.0
たる木ピッチ(m) 0.455 0.91 0.455 0.91
地表粗度区分
勾配(°) 26.6
(5寸勾配)
0.57 0.35 1.14 0.71 1.17 0.75 2.35 1.51
14
(2.5寸勾配)
0.91 0.59 1.82 1.19 1.69 1.13 3.39 2.26
0 1.00 0.66 2.00 1.32 1.83 1.22 3.67 2.45
※上表は一定の条件による試算のため、実際の構造計算においてこれらの数値をそのまま使うことはできません。各物件の条件に合わせて屋根構面を含め構造計算を行ってください。
※上記以外の計算条件は一定とし、以下の通りとしました。
 建物高さと軒高さの平均:9.75(m)、風速:34(m/s)、kz:1.0、桁-次の母屋距離:1.365(m)


赤字で記した数値はST-12同等品の短期許容耐力(スギ類)を超える数値で、かつBX高耐力たる木ビスで対応し得るものです。一般的な住宅にはST-12同等品で対応できる場合が多いですが、BX高耐力たる木ビスは、

①多目的木造建築(中大規模木造建築)等で、緩勾配でも軒を1m以上跳ね出したい
②海岸沿いや周囲に障害のない地域に建築したい
③たる木のピッチを広げたい

などを実現するのに適しています。

上記以外にも、建物の高さや風速が大きく一般住宅でも高耐力のたる木金物が必要になったときや、近年大型化している台風への余力が欲しいときなどにも力を発揮します。

BX高耐力たる木ビスの製品ページはこちら

BXカネシンCSセンターへのお問合せ

TEL. 03-5671-1077

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