CSセンターが疑問を解決

No.14 2018.04.02

壁倍率2倍用のハイパーガセット・Ⅱとメタリフ筋かいプレートが壁倍率3倍対応製品となりましたが、金物形状に変更はありますか。

金物形状に変更はありません。形状を変更せずに、壁倍率3倍対応製品となりました。
なぜ、金物形状を変更せずに壁倍率2倍用の筋かい金物を壁倍率3倍対応製品とすることができたのでしょうか。

まずは、下の表で片筋かい耐力壁の「壁倍率」と「等価壁倍率」について確認してみましょう。

表1 片筋かい耐力壁の「壁倍率」と「等価壁倍率」
令46条より 木造軸組工法住宅の
許容応力度設計(2017年版)より
軸組の種類 壁倍率 圧縮筋かい 引張筋かい
等価壁倍率 等価壁倍率
厚さ1.5cm以上で幅9cm以上の木材又は径9mm以上の鉄筋筋かいを入れた軸組 1.0 1.0 1.0
厚さ3cm以上で幅9cm以上の木材の筋かいを入れた軸組 1.5 2.0 1.0
厚さ4.5cm以上で幅9cm以上の木材の筋かいを入れた軸組 2.0 2.5 1.5
9cm角以上の木材の筋かいを入れた軸組 3.0 5.0 1.0

令46条では、軸組の種類(筋かいの種類)ごとに「壁倍率」が定められいます。許容応力度設計では、軸組の種類(筋かいの種類)ごとに圧縮筋かい側と引張筋かい側それぞれの「等価壁倍率」が区別して用いられます。


次に、「壁倍率」と「等価壁倍率」についてさらに詳しく確認してみましょう。

①筋かいの「壁倍率」
令46条の筋かいの「壁倍率」は、許容応力度設計の圧縮筋かいと引張筋かいの「等価壁倍率」の平均値であることが上の表からもわかります。

②圧縮筋かい、引張筋かいの「等価壁倍率」
圧縮筋かいの「等価壁倍率」は、筋かいの断面により定められています。一方、引張筋かいの「等価壁倍率」は、筋かい金物で必要な引張性能を確保しています。そのため、筋かい金物の試験は、引張り筋かい側での耐力性能のみを確認しています。




最後に、金物の性能で決まる引張筋かいの「等価壁倍率」を確認してみましょう。

上の表より「壁倍率2倍」の等価壁倍率は、「壁倍率3倍」の等価壁倍率より高いことがわかります。そのため、壁倍率2倍用筋かい金物を壁倍率3倍用筋かい金物として使用できます。


【補足】
Q.壁倍率1.5倍筋かいも引張側の等価壁倍率が1.0です。壁倍率2倍用筋かい金物を使用しても良いの?
A.壁倍率1.5倍筋かいの断面が壁倍率2倍筋かいの断面より小さいため、使用できません。 壁倍率3倍筋かいは壁倍率2倍筋かいより断面が大きいため、壁倍率2倍筋かいと同等以上の性能が確保できるものと考えます。


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